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【開催報告】大阪・関西万博で生まれた1,633回の対話を科学する ―ソーシャルマーケティング研究センターが対話研究フォーラムを開催―
開催報告
2026年10月26日、同志社大学ソーシャルマーケティング研究センター(SMRC、センター長:商学部・瓜生原葉子教授)は、同志社大学寒梅館ハーディーホールにおいて、対話研究フォーラム「万博で生まれた1,633回のDialogue、その先へ」を開催しました。500名を超える参加者を迎え、対話の本質と作用、その社会的可能性について研究成果を共有し、今後の展望を議論しました。
本フォーラムは、SMRC、一般社団法人日本ソーシャルマーケティング協会(JSMA)、一般社団法人Dialogue Theaterが主催し、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の共催により実施されました。
芸術が生み出した対話を、学術研究へ
2025年大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater ―いのちのあかし―」(プロデューサー:河瀨直美氏)では、184日間にわたり、初対面の二人による約10分間の脚本のない対話が1,633回行われました。
自己紹介や敬語を用いない、テーマをそのまま話さないなど、独自の条件のもとで生まれた対話を対象に、SMRCでは「対話の中で、人は自分や他者、社会とどのように向き合うのか」という問いを掲げ、その本質、作用、社会的可能性を学際的に探究しています。
本研究は、一つひとつの対話経験を尊重しながら、そこで生じる相互作用を理論と実証の両面から捉え、新たな学術的知見と社会的価値の創出につなげることを目指しています。
探索的調査から見えてきた対話の可能性
第2部では、先行研究に基づく理論的枠組みと探索的調査の初期分析結果を報告しました。
パビリオンの実践に関わった対話者31名へのインタビューと、本年4月~7月、対話者とのオンライン対話を経験した学生9名の事後アンケートを分析した結果、対話者31名中29名(約94%)が、その後の人との関わり方や新たな選択肢、行動の可能性について語っていました。同時に、相手の立場から考える「視点取得と共感」、相手の言葉を受け止め応答する「傾聴と応答」、自分の思いや価値観への気づきである「自己理解」、互いの経験や考えへの理解を深める「相互理解」も語られました。また、学生9名全員が「自分の言葉で話せた」「丁寧に聴いてもらえた」と肯定的に回答しました。
これらの結果から、対話において、丁寧に聴き合うなかで安心や信頼が育まれ、他者の立場から考える経験が自己理解や新たな行動の選択肢の発見につながる可能性が示唆されました。
瓜生原教授は、「今回注目したのは、2か月から6か月にわたり、異なる人々との10分間の対話に向き合い続けたパビリオンの対話者の変化です。その経験が、人との関わり方や仕事、その後の行動可能性にまで広がっていく様子が見えてきました」と述べました。
なお、本調査は少人数を対象とする探索的研究であり、対話による因果的な効果については、今後さらなる検証が必要です。
同志社大学の建学の精神「良心」と対話
フォーラムでは、小原克博学長からビデオメッセージが寄せられました。小原学長は、建学の精神である「良心(conscience)」に含まれる「共に知る」という意味に触れ、他者との対話を通じてどのような社会をつくるのかという問いを提示しました。また、同志社大学で対話の研究が行われる意義、学問が専門領域を越えて社会とつながることの重要性や、若い世代が対話を通じてよりよい社会を担うことへの期待を述べました。
1,633回の対話記録の分析と社会への還元
今後SMRCでは、1,633回の対話記録を対象に、発話内容に加え、沈黙や声、表情、身体の動きなどを時間的な展開に沿って分析し、対話の類型や相互理解が深まる条件、対話の質を捉える指標について検討します。さらに、対話者や目撃者への追加・追跡調査を通じて、対話経験がその後の認識や行動にどのようにつながり得るのかを探究します。
19分野20名の研究者が参画するSMRCでは、今後も学際的な知見を結集し、対話の本質と作用機序の科学的解明を進め、教育、医療、職場、地域社会などへの応用可能性を検討していきます。また、JSMAとの連携を通じて研究成果を社会での実践や次世代の学びへとつなぎ、よりよい社会の実現(Social Good)に寄与することを目指します。
| 関連情報 | 対話研究フォーラム開催報告(SMRC公式ブログ) |
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| 同志社大学ソーシャルマーケティング研究センター(SMRC) | |
| 一般社団法人日本ソーシャルマーケティング協会(JSMA) |
メディア掲載情報
本フォーラムについて、新聞各紙でも紹介されました。
- 京都新聞DIGITAL 2026年10月27日:
大阪・関西万博での「対話」が生んだ「現代社会への処方箋」とは 同志社大学と河瀨直美さんが共同研究 - 朝日新聞 2026年10月27日:
万博で交わされた1633回の「対話」、河瀬直美さんと対話で考える
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同志社大学ソーシャルマーケティング研究センター(SMRC) |
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