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同志社大学理工学部機能分子・生命化学科北岸宏亮教授らの研究グループは、佐賀大学農学部堀谷正樹准教授と共同で、硫化水素を生体内で捕捉して、それを無毒化する化合物の開発に成功しました。同志社大学の研究グループでは、2023年2月に、一酸化炭素(CO)およびシアン中毒の同時解毒剤として、hemoCD-Twinsの開発に成功しています(2023年2月プレスリリース、図1)¹⁾。今回はこのhemoCD-Twinsの構成成分であるhemoCD-PおよびhemoCD-Iのそれぞれについて、硫化水素に対する結合性能を調査し、その結果hemoCD-Iが生体内の硫化水素の結合部位(ヘモグロビンなど)よりも約10倍程度優れた結合性能を示すことが新たに判明し、中毒の解毒剤として応用できることを明らかにしました。
hemoCDとは、同志社大学の北岸宏亮教授らの研究チームによって研究開発が進められている人工ヘモグロビン化合物であり、ヘム鉄類似のポルフィリンと呼ばれる化合物を環状オリゴ糖であるシクロデキストリンで覆った特徴的な化学構造を有しており、血液中で酸素やCOなどのガスと結合することから、人工血液の素材としての研究が進められています²⁾。
硫化水素は、火山や温泉地などで自然発生し、腐卵臭を示すガスであり、低濃度(約0.3 ppm、ppmは100万分の1単位)では独特の臭いを発しますが、50 ppmくらいになると嗅覚が麻痺し臭いを感じなくなります。一方それくらいの濃度になると毒性が顕著に現れはじめ、100 ppm以上の濃度で吸入すると死に至る可能性が出てくることになります。空気よりも比重が高いため地下にたまりやすく、石油•ガス生産工場においては最も危険な化学物質です³⁾。硫化水素中毒による死者は例年一定数発生しています(資料1)。下水処理作業、農業施設、あるいは学校での理科実験などにおいても、不意に硫化水素ガスが発生してしまうことで中毒となり、救急搬送される例が年間十数例報告されています。最近では2024年10月13日に中国のバイオ工場で硫化水素中毒による7名の死亡事故が報告されました⁴⁾。さらに2008年以降、家庭内で硫化水素を発生させる自殺や自殺未遂事件が急増し、特に10-30代の若い世代において硫化水素による自殺が蔓延していることが社会問題となっています⁵⁾(資料2)。硫化水素中毒の現場では患者本人だけでなく、その場に居合わせた医師や看護師にも2次被害が及ぶ危険性があります。現在、硫化水素中毒に対し即効性のある治療薬は残念ながら医療実装されておらず、酸素換気でゆっくりと寛解させるしか方法がない状況です(資料3)。過去には青酸(シアン)ガス中毒に用いられる治療薬(亜硝酸アミル等)が用いられたケースも報告されていますが、件数が少ないために効果は十分に検証されていないのが現状です。
今回の研究では、hemoCD-Iが硫化水素と反応し、硫化水素イオンを結合したhemoCD-Iは空気中の酸素と反応することで、有毒な硫化水素から無毒な硫酸イオンあるいは亜硫酸イオンへと効率よく変換することを見出しています(図2)。解毒作用はマウスを用いた動物実験によって実証されており、致死量以上の硫化水素ナトリウムを投与したマウスにおいて、中毒症状が出た後すぐにhemoCD-Iを投与することにより、約8割のマウスが死亡を免れ、迅速に体内パラメーターが回復することを証明しました。さらに投与したhemoCD-Iは分解されずそのまま尿中へと排泄されることを解明しました。
本研究成果は、火災などで発生するガス中毒の治療薬シーズとして開発を進めているhemoCD-Twinsの治療適用範囲を拡大するものです。「救急救命の現場ではどのような原因で中毒症状に陥っているのか、医師でも迅速に判断を下すことは難しい。環状オリゴ糖で覆われているhemoCDは、患者に投与しても毒性がなく、すべて尿中に排泄されるため、安全性が極めて高い。今回の成果により、hemoCD-Twinsは少なくともCO、シアン、硫化水素いずれかの中毒患者であれば、投与により治療効果を発揮することがわかった。救急救命の現場あるいは救急搬送中に迅速にhemoCD-Twinsを投与できるようになれば、多くのガス中毒患者の命を救えるだろう。患者が安心して治療を受けられるよう、また医師が安心して患者に投与できるように、薬の安全性の担保につとめたい」研究リーダーである北岸教授は救急救命医薬品の実用化にむけたさらなる進展を目指しています。
本研究成果は「Detoxification of hydrogen sulfide by synthetic heme model compounds」の題目にて国際学術誌Nature Portfolio出版のScientific Reports誌に2024年12月10日付(UK時間)で公表されます(オープンアクセス)。
北岸 宏亮(キタギシ ヒロアキ) Hiroaki KITAGISHI
同志社大学 理工学部 機能分子・生命化学科 教授
研究分野:ライフサイエンス / 生体材料学 / 生物分子化学,生体関連化学
堀谷 正樹(ホリタニ マサキ) Masaki HORITANI
佐賀大学 農学部 生物資源科学科 准教授
研究分野:生物物理 / 生体関連化学 / 構造生物化学 / 物理化学
本研究は、文部科学省・日本学術振興会 科学研究費助成事業(課題番号:22H02097および24K01640)、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)橋渡し研究プログラム/異分野融合型研究開発推進事業/シーズH/救急救命現場で即時治療が可能な火災ガス中毒解毒薬の開発・シーズA/COその他関連ガス中毒の治療薬の開発(京都大学拠点支援、課題番号23ym0126814および24ym0126808)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)起業実証支援プログラム(課題番号JPMJSF2305)および同志社大学ハリス理化学研究所の研究助成により実施されました。
同志社大学 理工学部 機能分子・生命化学科 教授。
同志社大学工学部を卒業後、奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科で修士、同志社大学大学院工学研究科で博士号を取得。大阪大学大学院工学研究科で招聘研究員を務めた後、2008年に同志社大学へ着任。ポルフィリン、シクロデキストリン、ヘム、CO、超分子化学、生物無機化学、生命科学、バイオマテリアルの研究を行っている。90以上の出版物を執筆し、1900以上の引用文献がある。
佐賀大学 農学部 生物資源科学科 准教授。
大阪大学基礎工学部を卒業後、大阪大学大学院基礎工学研究科で修士、博士号を取得。理化学研究所播磨研究所で特別研究員を務め、米国ノースウェスタン大学化学科で6年間博士研究員を務めたのち、2016年に佐賀大学へ着任。電子スピン共鳴法、電子核二重共鳴法、高周波数・強磁場電子スピン共鳴法などの磁気分光を用いた金属タンパク質、モデル錯体を対象とした生物物理、生物無機化学研究を行っている。
1.「同志社大学 理工学部 北岸教授研究チーム 火災ガス中毒の救急救命用治療薬を開発」プレスリリース、2023年2月21日
https://www.doshisha.ac.jp/news/2023/0221/news-detail-9428.html
同志社大学
2. 「FOCUS :人工血液開発に挑む研究者たち」情報7daysニュースキャスター、2024年3月30日放送
https://www.youtube.com/watch?v=O_ODFa6tu-8
3. 「石油・ガス産業における硫化水素影響、特性および保護」
https://www.draeger.com/Content/Documents/Content/hydrogen-sulphide-knowledge-illuph-dmc-162-ja-jp-2107-1.pdf
Dräger Technology for Life® Drägerwerk AG & Co. KGaA
4. 「中国、中毒事故で7人死亡 バイオ企業、硫化水素か」2024年10月13日
https://nordot.app/1218136625545691274?c=302675738515047521
共同通信 47News
5. 「室内の硫化水素自損行為事案における消防活動の安全性の向上と活動時間短縮について」
一般社団法人全国消防協会 福岡市消防局論文
https://www.ffaj-shobo.or.jp/ronbun/ronbunh22.html
資料2.「硫化水素使用 1000人超」日本経済新聞夕刊2009年5月14日掲載
※下記の資料2は2025年12月9日(火)まで閲覧可能となっております。
https://webreprint.nikkei.co.jp/r/B2C8A98AE778466A9BFA592144BE290D
研究に関するお問い合わせ | 同志社大学理工学部: 北岸宏亮 TEL: 0774-65-7442 佐賀大学農学部 堀谷正樹 TEL:0952-28-8782 |
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本件に関するお問い合わせ |
同志社大学 広報部 広報課 TEL:075-251-3120 佐賀大学 広報室 TEL:0952-28-8153 |
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お問い合わせ |
【産学連携に関するお問合せ】 同志社大学リエゾンオフィス |
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同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクトの支援対象学生に欠員が生じたため、欠員補充の公募を実施します。応募を希望する方は、以下及び関連情報に掲載の募集要項・申請書類をご参照いただき、必ず募集期間内に手続きを実施してください。
・採用人数
2025年度2年次生、一貫制博士課程4年次生(2025年4月1日支援開始分):若干名
2025年度3年次生、一貫制博士課程5年次生(2025年4月1日支援開始分):若干名
・応募資格
(1)2025年4月1日現在、大学院博士課程に在学し、次のいずれかに該当する者(外国人も含む)
〔2年次生欠員補充にかかる応募要件〕
①区分制の博士課程後期第2年次相当(在学月数12ヶ月以上24ヶ月未満)に在学する者
②一貫制の博士課程第4年次相当(在学月数36ヶ月以上48ヶ月未満)に在学する者
〔3年次生欠員補充にかかる応募要件〕
③区分制の博士課程後期第3年次相当(在学月数24ヶ月以上36ヶ月未満)に在学する者
④一貫制の博士課程第5年次相当(在学月数48ヶ月以上60ヶ月未満)に在学する者
(2)本プロジェクトが提供する各種プログラムの受講・参加において支障のない英語能力があること。なお、支援開始時点で休学している場合は、欠員補充の対象にならない。
・募集期間
2024年12月9日(月)~2025年1月7日(火)12時00分00秒(日本時間:正午)【締切厳守】
関連情報 | 次世代研究者挑戦的研究プログラム(公募・採用者) 2025年度同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト支援対象学生(欠員補充)募集について |
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応募を希望する方は、以下及び関連情報に掲載の募集要項・申請書類等をご参照いただき、必ず募集期間内に手続きを実施してください。
・採用人数
16名
・応募資格
(1) 2024年度秋学期に本学大学院博士後期課程に入学、もしくは2025年度春学期に入学予定の者、または2025年4月1日時点において、一貫制博士課程3年次に在学予定の者(転入学予定者含む)。
(2) 本プロジェクトが提供する各種プログラムの受講・参加において支障のない英語能力があること。
・募集期間
2024年12月9日(月)~2025年1月7日(火)12時00分00秒(日本時間:正午)【締切厳守】
関連情報 | 次世代研究者挑戦的研究プログラム(公募・採用者) 2025年度同志社大学大学院博士後期課程次世代研究者挑戦的研究プロジェクト支援対象学生募集について |
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2024年11月28日~29日にグランフロント大阪で開催された「イノベーションストリームKANSAI 8.0」に出展しました。このイベントは、関西を中心とした大学・研究機関の最新研究成果や大学発スタートアップの製品を紹介する展示会と、U-FINO事業に関連するトークセッションから構成されています。来場者は先端技術を知ったり触れたりする体験を通じて、近未来の技術とそれらが起こす社会の発展を感じることができました。
本学からは、文化情報学部の飯尾尊優准教授とスポーツ健康科学部の新井彩准教授の技術を出展しました。飯尾准教授は、最新のAI技術を搭載したソーシャルロボットとの対話体験を提供しました。来場者は、ロボットが自分の良いところを見つけて褒めてくれる新しいコミュニケーションの可能性を体験しました。一方、新井准教授は、三調株式会社との共同研究の成果として、特殊形状且つ超薄型インソールによる姿勢及び歩き方の改善効果を紹介しました。来場者は、フォーマルからカジュアルなシューズまで使用可能なインソールを試着し、身体の健康とファッションの両立が叶う効果を体感しました。
このイベントを通じて、最先端の研究成果と技術が私達の日常生活や社会に与えるインパクトを実感できる貴重な機会となりました。
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「イノベーションストリームKANSAI8.0」(外部サイト)
開催日時 | 2024年11月28日(木)~11月29日(金) |
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開催場所 | グランフロント大阪ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター |
2024年11月26日(火)に開催した〈オープンアクセス推進セミナー〉「オープンアクセス(OA)の光と闇~OAの全体像・粗悪雑誌の見分け方・プレプリントの戦略的な活用~」の説明資料の公開及び録画配信を開始しました。
ぜひご覧ください。
同志社大学に所属する教職員・学生
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キリスト降誕日
2024年12月25日(水)
年末年始 冬期休暇
2024年12月29日(日) ~ 2025年1月5日(日)
お問い合わせ |
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同志社大学リエゾンオフィスニューズレター「LIAISON」は、本学の産官学連携・地域連携活動、起業支援活動などの情報発信のため、機関誌として発行しております。
2024年11月、vol.73を発行いたしました。ぜひご覧ください。
お問い合わせ |
リエゾンオフィス(研究開発推進課-京田辺) TEL:0774-65-6223
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同志社大学 理工学部インテリジェント情報工学科 知識情報処理研究室とNECは、人とAIの協調的な音楽制作の実現を目指し共同研究を行ってきました。 この共同研究では、人とAIが協調的に楽曲を製作できるフローを開発しました。
この研究成果についてNECのWEBページに詳しく紹介していただきましたのでご覧ください。
お問い合わせ | 【研究に関するお問合せ】 同志社大学 理工学部インテリジェント情報工学科 知識情報処理研究室 教授 土屋誠司 E-mail:stsuchiy@mail.doshisha.ac.jp
【産学連携に関するお問合せ】 同志社大学リエゾンオフィス |
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Challenge万博2024は、2025年大阪・関西万博を前に注目を集める関西主要大学および全国の大学発スタートアップが集結し、未来を切り開くディープテックスタートアップ・シーズを展示するイベントです。550名以上の来場者が訪れ、大学発スタートアップエコシステムを体感できる2日間となりました。
同志社大学からは株式会社AGRI-PASS(同志社大学発)が出展しました。同社は、同志社大学大学院 理工学研究科を2023年に修了した江南彪斗氏が代表を務める大学発スタートアップで、「農作業請負型労働力支援による農業生産力向上」の研究成果を基に、農業への労働力投入量を拡大し、生産性向上を目指す請負型労働力支援システム「アグリコ」を開発中です。農業における深刻な労働者不足に対応するためのソリューションとして注目され、展示ブースには多くの来場者が訪れ、活発な質疑応答が行われました。
本学および株式会社AGRI-PASSの研究・開発が、未来の農業を支える一助となることを目指しています。当日お越しいただけなかった方で、本取り組みにご興味をお持ちの方は、ぜひリエゾンオフィスまでお問い合わせください。
お問い合わせ |
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「Challenge万博 2024 -大学発シーズ・スタートアップがつくる未来社会- 」(外部サイト)
開催日時 | 2024年10月31日(木)~11月1日(金) |
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開催場所 | 三井住友銀行本店東館 1F |
理工学部 インテリジェント情報工学科 知的機構研究室(奥田正浩 教授)とコマツ株式会社(本社:大阪府東大阪市、代表取締役:小松 智)が共同開発した壁紙AI識別アプリ「かべぴた」は、第1回 Tech Direction Awards (一般社団法人テクニカルディレクターズアソシエーション主催) にて、特別賞(共創賞)を受賞しました 。
受賞作品を一堂に集めた第1回 Tech Direction Awards受賞作品展が404 Not Found(東京都渋谷区)にて開催され、「かべぴた」も展示されます。「かべぴた」の実機に触れていただける貴重な機会です。会場にて、その革新的な機能と使いやすさを体感してください。
また、会場では「他社との共創」をテーマにトークセッションも開催され、コマツ株式会社から代表取締役の小松智社長、取締役の小松真理さんが登壇されます。「かべぴた」に込められた想いや、奥田教授との出会いから開発秘話にいたるまで、大学と企業の「共創」のストーリーを語られます。ここでしか聞けない貴重なエピソードをお楽しみいただけます。
「かべぴた」や産学連携での製品開発にご興味のある方はぜひ会場までお越しください!
第1回Tech Direction Awards受賞作品展
会期:2024年11月16日(土) 11:00~21:00、11月17(日) 11:00~19:00
会場:404 Not Found
(渋谷区桜丘町1‐4 Shibuya Sakura Stage 4F)
https://award.tech-director.org/event01
Tech Direction Awards 受賞作品展トークイベント
日時 :11月16日(土) 14:00~15:00
テーマ:Session#2 他社との共創
登壇 :
・壁紙AI識別アプリ「かべぴた」
・デジタルツイン環境を活用した都市を拡張するAR体験プロジェクト
・Live Multi Studio (LMS)
【「かべぴた」について】
「かべぴた」は、住宅用壁紙の修復や延伸工事の際に必要となる施工済み商品の品番特定を、AI技術を用いて迅速かつ正確に行うアプリです。従来、見本帳を何冊も使用し目視で品番を割り出す作業は、建築業界全体を悩ませていました。コマツ株式会社と同志社大学は、この課題を解決するために産学連携を開始し、形や色だけでなく、テクスチャ(素材)の質感や凹凸まで解析できる「自動テクスチャ識別プログラム」(特許出願中)を開発しました。
この技術を搭載した「かべぴた」は、2024年2月にリリースされ、数時間かかっていた識別作業を数秒で完了させ、メーカーと品番を迅速に特定できるようになりました。この技術は、他の建材や農業、医療など多分野への応用可能性を秘めています。
お問い合わせ | 【壁紙AI識別アプリ「かべぴた」についてのお問い合わせ】 コマツ株式会社(大阪府東大阪市川俣1-15-14 コマツビル) 「かべぴた」公式ページ:https://textorage.com/kabe-pita/ 【研究に関するお問合せ】 同志社大学 理工学部インテリジェント情報工学科 知的機構研究室
【産学連携に関するお問合せ】 同志社大学リエゾンオフィス |
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関西エクストリームウォーク100(朝日新聞社主催)は、兵庫県姫路市から大阪市までの100kmを歩く長距離ウォーキング大会です。2024年の大会は10月26日から27日にかけて開催され、100km部門のスタート地点は姫路公園東御屋敷跡公園(兵庫県姫路市)、ゴール地点はツイン21(大阪市中央区)に置かれました。
今回、本学ではゴール地点であるツイン21に、「マイクロ炭酸アイスバス」の体験ブースを設置しました。スポーツ選手などが運動後に筋肉の炎症を抑えるため氷を使ったアイシングを行うことは一般に知られていますが、今回の体験ブースではマイクロメーターサイズの炭酸ガスを溶かした20℃の冷水である「マイクロ炭酸アイスバス」を準備し、参加者にはひざから下を10分間アイスバスに漬けていただきました。これは、クールダウンして炎症を抑えつつも炭酸ガスの効果で血流を促進させて疲労回復をサポートする技術で、スポーツ健康科学部の福岡義之教授および、スポーツ健康科学研究科 博士後期課程の吉村美保さんらの研究成果です。
体験ブースは同時にたくさんの方に体験いただけるよう大きな水槽を2つ準備しましたが、一時は待ち時間をいただくほど多くの方がブースに来てくださいました。100kmを完歩した参加者のうち200名近くの方に、この新しい技術を体感いただき、「脚がすっきり軽くなった」「太ももまで漬かってみたい」というような好評をいただきました。
また、参加者の方以外にも、この技術に興味を持たれた方がブースに来られ、福岡教授に熱心にこの技術について質問されていました。
ブースにお越しいただいた皆さん、ありがとうございました!
この研究の内容にご興味のある方は、是非、リエゾンオフィスまでお問い合わせください。
アスリートアイシングや熱中症に有効なマイクロ炭酸アイスバス
福岡 義之(スポーツ健康科学部 教授)
お問い合わせ |
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開催日時 | 2024年10月27日(日)7:00~11:30 |
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開催場所 | ツイン21(大阪市中央区) |
理工学部 インテリジェント情報工学科 知的機構研究室(奥田正浩 教授)とコマツ株式会社(本社:大阪府東大阪市、代表取締役:小松 智)が共同開発した壁紙AI識別アプリ「かべぴた」が、2024年度のグッドデザイン賞を受賞しました。
2024 グッドデザイン賞 受賞者
同志社大学 知的機構研究室
教授 奥田正浩、 豊永晴斗(2023年度卒)、 岩垂大知、 青木隆史
コマツ株式会社
代表取締役 小松智、 取締役 小松真理、 平野智脩揮、 井上皓司
2024年度グッドデザイン賞のテーマは「勇気と有機のあるデザイン」。
建築業の労働環境をDXによって変えたいという強い想いから、勇気をもって「かべぴた」開発のプロジェクトを開始したコマツ株式会社と、その勇気に応えた奥田教授。コマツ株式会社と同志社大学の有機的な研究開発体制が高く評価され、その結果として生み出された「かべぴた」はグッドデザイン賞受賞に至りました。
この受賞に際して、グッドデザイン賞受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2024」が11月1日から11月5日まで東京ミッドタウンで開催されます。この展示会では、2024年度の全受賞作が一堂に会し、「かべぴた」も展示されます。
さらに、受賞展の関連イベントである、「私の選んだ一品」トークイベントがGOOD DESIGN Marunouchiで開催されます。
このトークイベントでは「かべぴた」が取り上げられ、コマツ株式会社の小松智社長が登壇されます。産学連携による成功点、課題、「かべぴた」開発のエピソード
をお話しになる予定です。
受賞展やトークイベントは、「かべぴた」の魅力を直接体感できる絶好のチャンスです。ぜひ会場に足を運び、その革新性をお楽しみください。
知的機構研究室、コマツ株式会社の皆さま、受賞おめでとうございます!
■ GOOD DESIGN EXHIBITION 2024 - 2024年グッドデザイン賞受賞展 -
・会期:11月1日(金)~11月5日(火)
・会場:東京ミッドタウン各所
・内容:2024年度全受賞デザイン展示
https://www.g-mark.org/learn/past-awards/gda-2024/gde2024/
■「私の選んだ一品」トークベント #04「産学協同プロジェクト」の現在地
・ 日時 11月4日(月祝) 16:00-17:30
・会場 GOOD DESIGN Marunouchi
・登壇者
コマツ株式会社 小松智
(スマートフォンアプリ【産学連携】壁紙品番AI識別アプリ「かべぴた」プロデューサー)
東京造形大学 教授 森田敏昭
(デザイン教育 サーキュラーペーパープロジェクト プロデューサー・ディレクター)
https://ippin2024talk04.peatix.com/
【グッドデザイン賞とは】
1957年に通商産業省によって創設された「グッドデザイン商品選定制度」を継承した、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。グッドデザイン賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・表彰しています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
http://www.g-mark.org/
【かべぴたについて】
「かべぴた」は、住宅用壁紙の修復や延伸工事の際に必要となる施工済み商品の品番特定を、AI技術を用いて迅速かつ正確に行うアプリです。従来、見本帳を何冊も使用し目視で品番を割り出す作業は、建築業界全体を悩ませていました。コマツ株式会社と同志社大学は、この課題を解決するために産学連携を開始し、形や色だけでなく、テクスチャ(素材)の質感や凹凸まで解析できる「自動テクスチャ識別プログラム」(特許出願中)を開発しました。
この技術を搭載した「かべぴた」は、2024年2月にリリースされ、数時間かかっていた識別作業を数秒で完了させ、メーカーと品番を迅速に特定できるようになりました。この技術は、他の建材や農業、医療など多分野への応用可能性を秘めています。
お問い合わせ | 【壁紙AI識別アプリ『かべぴた』についてのお問い合わせ】 コマツ株式会社(大阪府東大阪市川俣1-15-14 コマツビル) 【研究に関するお問合せ】 同志社大学 理工学部インテリジェント情報工学科 知的機構研究室 【産学連携に関するお問合せ】 同志社大学リエゾンオフィス |
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BioJapan 2024は、アジア最大級のバイオテクノロジー展示会で、2024年10月9日から11日までパシフィコ横浜で開催され、再生医療JAPANおよびhealthTECH JAPANと同時開催されました。展示会、セミナー、パートナリングの3つの要素から構成され、国内外の企業、ベンチャー、アカデミアなどが参加し、18,003名の来場者が訪れました。
本学からは、2つのテーマでブース展示および口頭発表を行いました。
浦野泰臣教授(生命医科学部)は、コレステロールエステル化酵素(ACAT)を標的とした抗がん薬の研究成果を発表し、ACAT阻害剤が皮膚がんの一種である悪性黒色腫や胆管がんなどに効果を示すことを明らかにしました。
舟本聡教授(生命医科学部)は、抗原抗体反応によるタンパク質の検出に汎用されているウエスタンブロッティング法において、転写膜を特定の濃度の硫酸ナトリウム溶液で処理することで、検出感度を最大150倍に向上させる新規な技術を紹介しました。
本学のブースにもたくさんの来場者があり、活発な質疑が行われ、多くの方に興味を持っていただきました。
今回展示した本学の研究はいずれも、創薬やバイオ分野の発展に寄与することが期待されます。当日お越しになれなかった方で、研究の内容にご興味のある方は、是非、リエゾンオフィスまでお問い合わせください。
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開催日時 | 2024年10月9日(水)~10月11日(金)10:00~17:00 |
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開催場所 | 東京ビッグサイト 東ホール |
VRブースが公開されました。
VR同志社ブースも、是非お立ち寄りください!
「けいはんなR&Dフェア2024」が開催されました。本フェアでは、最先端の研究成果の展示が2024年10月3日(木)から4日(金)の2日間、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)で行われました。本学からは、三人の研究者の研究成果を出展しました。
理工学部/奥田 正浩 教授 研究テーマ:テクスチャの微細な違いを識別するAIの開発 概要:コマツ株式会社(本社:大阪府東大阪市、代表取締役:小松 智)と共同で開発した、壁紙AI識別アプリ「かべぴた」を前面に、その中で活用されている、AIによる画像処理技術を展示。コマツ株式会社さまにもご協力いただき、来場者にアプリ体験していただきました。 |
理工学部/田村 晃裕 准教授 研究テーマ:ニューラル自然言語処理 概要:人間のコミュニケーション支援や知的活動・業務支援に向けた最新の研究成果を発表しました。機械翻訳を行う際に、読者の要望に応じて難中易の3種類の文書難易度の翻訳結果作成や、文章と一緒に画像を読み込ませることで翻訳性能を向上させることができることなど、言葉を処理・解析する技術を展示されました。又、目的に応じて最適な種類の生成AIを提案するための評価技術も出展。AIの広がりで、来場者の関心も高く、活発な議論が交わされていました。 |
文化情報学部/河瀬 彰宏 准教授 研究テーマ:化粧品選択とメイクアップ行動に関する大規模データベース構築と計量的分析 概要:化粧品アイテム間の相互作用を解明するためのデータベースと分析手法を展示しました。化粧品に関しては、新たな成分、効果検証などの研究は多くありますが、メイクデータベースの構築という新たな試みが、多くの来場者の興味を引きつけました。 |
当日お越しになれなかった方で、研究内容にご興味のある方は、VRブースにぜひお越しください!
京都スマートシティエキスポ VRブース(本学ブース)
https://khnnict.vrx.jp
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けいはんなR&Dフェア2024(外部サイト)
京都スマートシティエキスポ(外部サイト)
開催日時 | ① 2024年10月3日(木)、4日(金) 10:00~17:00 @KICK ② 2024年10月5日(土) 10:00~17:00 @けいはんなプラザ |
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開催場所 | ① けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK) ② けいはんなプラザ |